【第8回】元気でも、ふと将来が怖くなる理由 ― 健康寿命という考え方
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、階段で息が切れた時や、夜中に転んだらどうしようと感じた瞬間に、将来への不安がよぎることがあります。
その不安の正体は“寿命”ではなく、“健康寿命”です。
健康寿命とは、介護を受けずに自分らしく生活できる期間のこと。
多くの方が本当に気にしているのは、何歳まで生きるかではなく、何歳まで元気でいられるかです。
健康寿命を縮める主な要因は、体力の衰え、認知症、骨折などのけが、重い病気など。
どれも突然起こるように見えて、実は日々の生活習慣の積み重ねと深く関係しています。
健康の不安は、病気になってから考えるものではありません。
“健康寿命をどう延ばすか”を意識することが、安心な将来への第一歩になります。
最初の一歩は「一緒に行く」ことから。
生きがいづくりで一番大変なのは最初の一歩です。無理に背中を押すのではなく、性格や経験を伺いながら選択肢を整理し、必要であれば事前訪問にも同行します。紹介のある安心した環境から始められることで、不安は大きく軽減されます。無理に変わらなくていい。一人で抱えない仕組みを整えることが、自然に動き出すきっかけになります。
【第6回】生きがいは「見つける」より「なじめるかどうか」
「生きがいを見つけましょう」と言われると、少し構えてしまうものです。
しかし実際に続くかどうかを左右するのは、活動内容そのものよりも「その場になじめるかどうか」です。
どんなに魅力的なサークルでも、雰囲気が合わなければ長続きしません。
一方で、安心できる関係性があれば、特別な活動でなくても自然と足が向くようになります。
大切なのは、いきなり参加することではなく、
・どんな人が集まっているのか
・初心者をどう迎えているのか
・場の空気は自分に合いそうか
を事前に知ることです。
まずは顔合わせから始めるだけでも、心理的な負担は大きく下がります。
生きがいは「探すもの」ではなく、環境と人との相性の中で育っていくものなのです。
定年後、自由な時間が増えたはずなのに、
「何を始めればいいのか分からない」
そんな戸惑いを感じる方は少なくありません。
やる気がないわけではなく、
知らない人の輪に入る不安や、
続かなかったときの気まずさが、
最初の一歩を重くしています。
生きがいの不安は、意欲の問題ではなく、
踏み出すための入口が高すぎることが原因なのです。
定年退職後、
急に「時間だけが増えた」と感じる瞬間はありませんか。
何もしていないわけではないのに、
なぜか落ち着かず、居心地の悪さを感じてしまう。
仕事をしていた頃には、
会社という居場所があり、役割があり、
自然と一日が動いていました。
その急な変化が、
生きがいの不安につながることは少なくありません。
この回では、
「暇になったから」ではなく、
居場所と役割を失った感覚こそが不安の正体である、
という視点をお伝えします。
「歳だから仕方ない」と言われて、
どこか納得できない不安を感じたことはありませんか。
多くの不安の正体は、
生きがい・健康・お金・これからの暮らしといった
複数の心配事が、整理されないまま重なっていることにあります。
何が不安か分からない状態では、
対処のしようがなく、不安だけが残ってしまいます。
しかし、不安を無理になくそうとしなくても、
一つずつ分けて整理するだけで、気持ちは軽くなっていきます。
この回では、
不安を「歳のせい」にしない考え方と、
次回から始まる「生きがいの不安」への入り口をお伝えします。
不安を感じていても、
「迷惑をかけたくない」「まだ大丈夫」と思い、
家族には打ち明けられない——
そんなシニアの本音に焦点を当てます。
弱音を吐けないまま抱え込んだ不安は、
行き場を失い、心の中で少しずつ大きくなっていきます。
一方で、家族は責める気持ちではなく、
小さな変化に気づき、静かに心配していることも少なくありません。
この回では、
「話すこと」は頼ることではなく、
自分のこれからを大切に考える行為である、
という視点をお伝えします。
年齢を重ねる中で、はっきりした困りごとはないのに、
ふと「このままで大丈夫だろうか」と感じる瞬間はありませんか。
お金、健康、これからの暮らし、生きがい——
理由ははっきりしないけれど、心の奥に残る“何となく不安”。
この連載では、
多くのシニアが静かに抱えている
正体の分からない不安を「見えないお化け」にたとえ、
少しずつ言葉にしていきます。
答えを急ぐためではなく、
不安を整理し、考えやすくするための連載です。
27日 8月 2025
「葬儀の料金をめぐるトラブルが多発し、国民生活センターに寄せられた2024年度の相談件数は過去最多を更新した。不当に安い料金を強調する脱法的な広告も後を絶たず、行政処分に至るケースも出てきている。...
27日 8月 2025
「墓石を撤去する「墓じまい」を経て、遺骨を別の墓や納骨堂などに引っ越しさせる「改葬」の件数が急増している。厚生労働省の衛生行政報告例によると、全国は2013年度に8万8397件だったが、23年度は16万6886件、神奈川県内では13年度が4823件に対し23年度は8939件と、いずれも2倍近くとなった。直近は特に増えている。背景に何があるのか。お盆を迎えている今、昨今のお墓事情を探ってみた。 「子や孫に負担を残したくなかった」 そう話すのは、伊勢原市に住む男性(78)。今年、祖父母や両親、兄らが眠る都内の墓を撤去した。自身も高齢となり都内への墓参りが困難なったことや継承者がいないことなどから、墓じまいを決断。方法が分からず「このままでいいか」と思ったともいうが、「今やらないと、いつか問題が起きる。手入れがされなくなった墓をお寺が撤去するときに、費用の請求が(子や孫に)来る。それは嫌。自分の代で終わらせたかった」 昨年12月から今年1月にかけて自治体や業者などへの問い合わせを行い、4月上旬の「閉眼供養」を経て、同月内に墓を撤去。遺骨については、散骨を選び、5月に横浜の海へまいた。 墓の区画が広く撤去費用は高額となったが、「今はほっとしている。墓が放っておかれて朽ちていくのはしのびない」。墓はなくなったが、故人には心の中で手を合わせているという。 ◇増加の背景にあるのは? なぜ、こうした墓じまいが増えているのか。 事情に詳しい「シニア生活文化研究所」代表理事で死生学が専門の小谷みどりさん(56)は、「核家族化」と「非婚化」が要因と指摘する。「かつては子や孫の継承が前提だったが、今は家族のあり方が変わってきている。(跡継ぎがおらず)継承できない、お墓が遠くお参りできないといった理由で墓じまいが増えている」と言う。 中でも改葬件数は22年度から全国的にも急激に増加している。小谷さんは「遠方にお墓を持つ人がコロナ禍で何年かお墓参りに行けなくなり、お墓はいらないと感じるようになったのではないか」とみている。 そもそも行政が集計する改葬件数には、自宅で遺骨を保管する手元供養や散骨は含まれない。そのため、墓じまいをしている世帯はもっと多いと推測される。 実際のところ、終活サービスを提供する「縁」(茅ケ崎市)では改装件数に含まれない「海洋散骨」を年間300件以上、実施している。代表の小西正道さん(46)は「15年前に始めた時は月に1件だった。取り扱いは年々増えている」と話す。」 (神奈川新聞:2025年8月13日) 子や孫に負担を残したくなかったという考えから墓じまいが増えているということですが、何よりもご先祖様が眠るお墓を無縁仏にしないということこそ根本ではないかと考えています。