【第9回】体力よりも先に衰える「自信」
― 健康寿命は“動ける時間”で決まる
健康寿命を左右するのは、筋力や数値だけではありません。
実は体力そのものよりも先に衰えやすいのが、「動ける」という自信です。
「転んだらどうしよう」「迷惑をかけるかもしれない」
そんな不安が外出の機会を減らし、結果として筋力や会話の機会も減少し、健康寿命は少しずつ短くなっていきます。
この流れを防ぐために有効なのが、週3回以上・30分程度の有酸素運動です。
ウォーキングや体操、軽い筋トレなど、特別なものである必要はありません。
大切なのは無理をすることではなく、続けられる環境を持つこと。
体を動かす習慣が、自信と健康寿命の土台を支えます。
【第8回】元気でも、ふと将来が怖くなる理由 ― 健康寿命という考え方
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、階段で息が切れた時や、夜中に転んだらどうしようと感じた瞬間に、将来への不安がよぎることがあります。
その不安の正体は“寿命”ではなく、“健康寿命”です。
健康寿命とは、介護を受けずに自分らしく生活できる期間のこと。
多くの方が本当に気にしているのは、何歳まで生きるかではなく、何歳まで元気でいられるかです。
健康寿命を縮める主な要因は、体力の衰え、認知症、骨折などのけが、重い病気など。
どれも突然起こるように見えて、実は日々の生活習慣の積み重ねと深く関係しています。
健康の不安は、病気になってから考えるものではありません。
“健康寿命をどう延ばすか”を意識することが、安心な将来への第一歩になります。
最初の一歩は「一緒に行く」ことから。
生きがいづくりで一番大変なのは最初の一歩です。無理に背中を押すのではなく、性格や経験を伺いながら選択肢を整理し、必要であれば事前訪問にも同行します。紹介のある安心した環境から始められることで、不安は大きく軽減されます。無理に変わらなくていい。一人で抱えない仕組みを整えることが、自然に動き出すきっかけになります。
【第6回】生きがいは「見つける」より「なじめるかどうか」
「生きがいを見つけましょう」と言われると、少し構えてしまうものです。
しかし実際に続くかどうかを左右するのは、活動内容そのものよりも「その場になじめるかどうか」です。
どんなに魅力的なサークルでも、雰囲気が合わなければ長続きしません。
一方で、安心できる関係性があれば、特別な活動でなくても自然と足が向くようになります。
大切なのは、いきなり参加することではなく、
・どんな人が集まっているのか
・初心者をどう迎えているのか
・場の空気は自分に合いそうか
を事前に知ることです。
まずは顔合わせから始めるだけでも、心理的な負担は大きく下がります。
生きがいは「探すもの」ではなく、環境と人との相性の中で育っていくものなのです。
定年後、自由な時間が増えたはずなのに、
「何を始めればいいのか分からない」
そんな戸惑いを感じる方は少なくありません。
やる気がないわけではなく、
知らない人の輪に入る不安や、
続かなかったときの気まずさが、
最初の一歩を重くしています。
生きがいの不安は、意欲の問題ではなく、
踏み出すための入口が高すぎることが原因なのです。
定年退職後、
急に「時間だけが増えた」と感じる瞬間はありませんか。
何もしていないわけではないのに、
なぜか落ち着かず、居心地の悪さを感じてしまう。
仕事をしていた頃には、
会社という居場所があり、役割があり、
自然と一日が動いていました。
その急な変化が、
生きがいの不安につながることは少なくありません。
この回では、
「暇になったから」ではなく、
居場所と役割を失った感覚こそが不安の正体である、
という視点をお伝えします。
「歳だから仕方ない」と言われて、
どこか納得できない不安を感じたことはありませんか。
多くの不安の正体は、
生きがい・健康・お金・これからの暮らしといった
複数の心配事が、整理されないまま重なっていることにあります。
何が不安か分からない状態では、
対処のしようがなく、不安だけが残ってしまいます。
しかし、不安を無理になくそうとしなくても、
一つずつ分けて整理するだけで、気持ちは軽くなっていきます。
この回では、
不安を「歳のせい」にしない考え方と、
次回から始まる「生きがいの不安」への入り口をお伝えします。
不安を感じていても、
「迷惑をかけたくない」「まだ大丈夫」と思い、
家族には打ち明けられない——
そんなシニアの本音に焦点を当てます。
弱音を吐けないまま抱え込んだ不安は、
行き場を失い、心の中で少しずつ大きくなっていきます。
一方で、家族は責める気持ちではなく、
小さな変化に気づき、静かに心配していることも少なくありません。
この回では、
「話すこと」は頼ることではなく、
自分のこれからを大切に考える行為である、
という視点をお伝えします。
年齢を重ねる中で、はっきりした困りごとはないのに、
ふと「このままで大丈夫だろうか」と感じる瞬間はありませんか。
お金、健康、これからの暮らし、生きがい——
理由ははっきりしないけれど、心の奥に残る“何となく不安”。
この連載では、
多くのシニアが静かに抱えている
正体の分からない不安を「見えないお化け」にたとえ、
少しずつ言葉にしていきます。
答えを急ぐためではなく、
不安を整理し、考えやすくするための連載です。